2022年7月27日(水)はコーチのスキルアップのための勉強会でした。
今回のテーマは、「ゲシュタルト療法をマスターする」。
前々回の「ゲシュタルト療法をマスターする〜再解釈セッションのスキルアップをする」の続きになります。
→前々回の記事の詳細はこちら
今回は、いづみさんが概要をまとめてくれました。
ゲシュタルト療法とは
まずそもそも人間というものは、無意識に一部分だけにフォーカスしてしまうもので、一つの面を見ていると、他方が見えなくなる性質を持ち合わせています。
ザックリいうと、ゲシュタルト療法とは、その見えている部分と見えてない部分の両方を見ようとするもの。
潜在意識と顕在意識の両方があることを理解して捉え、統合していきます。
全体を部分の寄せ集めではなく、1 つのまとまりとして理解し、見えなかった面に気づくことでメンタルヘルスは安定していくと言われています。
ゲシュタルト療法の代表的な技法について
ゲシュタルト療法にはいくつか代表的な技法があります。
簡単にですが4つほど紹介すると…
・エンプティチェア
椅子に想像する他者や自己、対象物を架空上で座らせたり、自分がその相手側のシートに座り、相手側になりきって対話する技法
・ファンタジートリップ
ファンタジーの世界に入り体験する技法
・ドリームワーク
気になる夢を見た時、その夢を再現し、その中に入り込んで再体験する技法
・ボディワーク
身体と対話して、体の一部分になってみる技法
などがあります。
今回の勉強会は、これらのセッションをマスターし、更にコーチのセッションのスキルをアップさせることが目的です。
やはりここは「実践あるのみ!」ということで、クライアント役とコーチ役を選び、参加者全員で様々なことを想定しながら公開セッションで学んでいきました。
実践!勉強会で選んだ方法は、『エンプティチェア』
エンプティチェアは、ホットシート、チェアテクニックとも言います。
(NLP=ポジションチェンジ法)
先ほども書きましたが、椅子に想像する他者や自己、対象物を架空上で座らせたり、自分がその相手側のシートに座り、相手側になりきって対話する技法です。
「今仮に目の前の椅子に当時のお母さんが座っているとします。どんな表情ですか?」
「今仮に、目の前にあなたの中で続いていた胃痛が座っているとします。何か言っているようです。なんと言ってますか?」
このように、ゲシュタルト療法では、たとえば今ここで、クライアントが過去の母親と対面しているかのように展開し、母親に対する思いや感情、伝えたいことなどを形にしていきます。
また自分が母親など相手側の椅子に座り、自分が相手の中に入り込んで、その時の心情などを語ったりします。
体や言葉で再体験することで、未解決だった思いが表面化すると、新しい考えや感情がまとまって次に進むことができます
こうして体や言葉で再体験することで、未解決だった想いが表面化すると、新しい考えや感情がまとまって次に進むことができます。
この様なことを意識してセッションを進めていきます。
今回の実践でクライアント役があげた解決したいテーマは『お金についての悩み』でした。
お金が減ることが怖く、やりたいことをやれていない。 やりたいことをやるには収入が少ないので、もう少し収入を増やすにはどうしたらいいのか?
ここからスタートです。
セッションの基本的な流れに沿って進めていきます。
ラポールを築き、今日のゴールを決め、現状確認をし、欲しい結果を確認していきます。
そしてエンプティチェアに必要そうな情報を聞き出していきます。
セッションで大切なのは、クライアントの障害を取り除くこと。
コーチは質問をしながら、「クライアントの障害になっている物は何か?」というのを推測し、質問を重ねていくことが重要なポイントになってきます。
障害を突破するために必要なものは何か?
どういうことがわかるといいか?
などを考えて質問をしていきます。
色々な質問をしてわかってきたことは、お金が減ることが怖いのではなく、お金を稼ぐことの方にどうも抵抗がありそうだということ。
お金を稼ぐことに対しての内的葛藤があり、潜在意識にある思い込みが、お金を稼ぐことに対する抵抗を生んでいることがわかってきました。
そこでエンプティチェアに登場させる人が決まりました。
今回は下記の3つ。
1)痛みを負った時の自分
2)未来の望みを叶えている自分
3)望みを叶える過程にいる自分
この3つの自分にそれぞれ入ってもらい、コーチが質問をしていくことで、クライアントはそれぞれの自分と対話をしていきます。
そしてその過程で、クライアント自身が気づきを得ていきます。
今回のセッションでは、「収入は興味あることで増やしていくといいこと」とか「行動に結びつかない時は目標を小さくして目の前のことに取り組んでいくこと」とか「わからないことはわかる人に聞くこと」などの答えや気づきを引き出すことができました。
こうしてセッションをして気づいたことは、「コーチがクライアントと同じ世界に入っていくか?」「どれだけクライアントに興味を持ち、どれだけ一緒に入れるのか?」ということでした。
どの過程も大切ですが、やっぱりここがとても大切な部分だと再認識しました。
まとめ/感じたこと
前々回の勉強会からそれぞれのコーチがペアを組んで、課題としてエンプティチェアの練習をしてからの今回の勉強会でした。
私も自分で事前にやっていたこともあり、今回のセッションと自分がしたセッションでの違いをすごく感じました。
見立てや質問の仕方やポイント、過去の未完了の感情に触れたり、潜在意識にあるビリーフを確認したり、エンプティチェアに座らせる対象を決めたり、やることが多いセッションだな…というのが正直な感想です。
これは練習あるのみ、ですね。
コーチとしてスキルアップすることは、クライアントさんにとってとても大切なことです。
気持ちを引き締めて練習していきたいと思います。