自分の道を開く方法〜モヤモヤすることを掘っていくとそこにある〜

大きなヤシの木がある
サーフショップカフェにて、、

つい先日、
感動的な再会がありました。

今日はその話を
シェアさせてください。

~~~

もう10年前になります。

旦那さん=彼
と出会って
最初の旅行の話です。

彼は
私とは価値観が真逆のことが
とても多いんです。

例えば、彼との
初めてのお泊まり旅行。

想像してください。

「もしあなたが
30代後半のカップル。
初めての旅行なら、
どこに行きたいですか?」

私はどこかの素敵な高級温泉でも
行くのかと思っていました。

それまで自分の旅行と言えば、
高級ホテルめぐりでした。

ホテルで
アフタヌーンティーを食べて
エステを受けて
ドレスアップして。

そんな洗練されていて
都会的な感じが好みでした。

もちろん
ものすごく仕事頑張って、
背伸びして、ですが。

それがですよ。

彼が誘ってくれたのは
ゴールデンウィークに行く
新島でのゴリゴリの
サーフキャンプでした。

”元ラグビー部です”的な見た目の
ゴリゴリのサーファーたちが
30人くらいで
野外で飲み明かすような
キャンプだったのです。

どうしようかと思いました。

「絶対
虫がいっぱいいるよね?」

「無料のキャンプ場?
ということは
トイレ綺麗じゃないよね?」

「お風呂もない?
45分ほど自転車で汗だくになって
銭湯に行く?
いやあーーー、、
なしなしなし!!

一人でタクシーで
行っていいですか?
銭湯に現地集合でお願いします」

みたいな。

「人見知りの私は
焚火で無限にお肉を焼く担当、
を選択してしまうだろう・・・」

「え、待って。
二人の甘い夜は
鳥のさえずり聴きながら
まさかのテントで?

え?
ああ、そういう感じ?

まあ、それは結構あり、、、?」


このような想像が頭の中を
かけめぐっていました。

どどどど、どーする?
行く?行かない??

ところが、私の中では
”生涯のパートナーは彼だ”
という謎の確信ありました。

もうそうでないと
後がないと思っていたのだと
思います。

よし、ここは頑張りどころだと
思いました。

本当は葛藤だらけで怖かったけど
「行く、楽しそう♪」
と笑顔で彼に言いました。

ドキドキしながら、
当日を迎えました。

船を降りて
新島に到着しました。

見渡すと
結構みんな良さそうな人で
安心しました。

ある一人の女子が
ニコニコしながら
トコトコトコと
彼の近づいてきました。

「タカシ~~~~♪」

(彼の名前を
ここでは仮名でタカシとします)

彼のまわりを
まるで猫のように
すりすりしながら
一周しました。

私はその女性に
釘付けになりました。

頭には耳が生えていました。
(猫の耳のカチューシャを
つけていました)

トップスは胸の下あたりまでで
おへそが全開でした。

下はモコモコの素材の
ショートパンツ。

さらになんと
お尻からしっぼが
生えていました。

「ラ、ラ、ラ、・・・
ラムちゃんやないかいっ!!!」

と私は頭の中で突っ込みました。

「なんでラムちゃん
ここにおるん???
星から帰ってきたん?
え、なんで???」

※ラムちゃんとは
ご存知の方も多いかと思いますが
小さい頃にテレビで見ていた
漫画「うる星やつら」の
主人公です。

まさにラムちゃん
そのものだったんです。

「え、何、この彼との距離感?
私は無視?
元カノ??」

島に降りてまだ5歩しか
歩いていないのに
早くも混乱しました。

しかも本家のラムちゃんの服は
黄色と黒の”虎柄”のはず。

それが目の前のラムちゃんの
上下の服は
白黒の”牛柄”だったんです。

私はさらに頭の中で
突っ込んでいました。

「なぜ、
なぜに牛柄ーーー!!??」

ツッコミどころが
大渋滞でした。

「なぜ、人の彼氏捕まえて
スリスリするん?

なぜ、頭から耳生えてるん??

なぜゆえに
お尻からしっぼ生えてるん???」

色々突っ込みたいことがあるのに
もう混乱していて、
頭が追いついていませんでした。

「なぜ、牛柄?
なぜ、虎柄でない?
なぜ、牛柄?

もしかして丑年?
ああ、きっとそうだ
そうに違いない!」

となんとか一つでも
納得したくて
挨拶もそこそこに
私がやっと言葉にして発した言葉は

「丑年ですか?」

でした。

牛ラムちゃんは

「キャハ、おもしろーーーーーーい!」

という反応でした、、、。

肝心の干支はスルーで答えてくれませんでした。

「えーーーーー!!

えーえーえー、どっちがおもしろいん!!」

とは、私は言えませんでした。

ただ、苦笑いしました。

〜〜〜

私の中では勝手に
この女子のことを
「牛ラムちゃん」
と呼ぶことにしました。

周りのみんなは
牛ラムちゃんと
普通に接しているので、
どうやらこれが
彼女の通常運転のようでした。

牛ラムちゃんは続いて
彼にこう言いました。

「タッカシ~~~~
今日はずっと
一緒に過ごしていい♪」

彼は私にこう言いました。

「こいつとは長いつきあいで。
そういや、
いつもなぜか一緒なんだ。
一緒でいいかな?」

「おーーーーーーーーい!!!
なんでやねん!!」

とは言えず、、、
一瞬の間を開けて

「え?あ??・・・
別にいいけど・・・」

と答えてしまいました。。。

よくなくなくなくない、
ですけど、、・

まだ自分の本当の気持ちを
言うことはできず、
器が大きい良い彼女を
演じてしまったんです。

うん、こんなの
よくあることだよね!
全然平気!的な。

牛ラムちゃんは
全く悪気がない屈託のない笑顔で
私にこう言いました。

「ありがとう
よろしくねーーー
楽しもうーーーー♪」

それから牛ラムちゃんは
宣言通り、
彼の周りを
まとわりついていました。

キャンプ場について
30分後に彼は
「サーフィン行ってくる」
と出かけてしまいました。

そのすぐ後ろを

「タッカシ~~~~
私も行く~~~~~♪」

と牛ラムちゃんが
後を追っていきました。

私はサーフィンをやりませんが
牛ラムちゃんは
サーフィンをやります。

他にもたくさんの仲間がいるのに
なぜか二人っきりで
海へと繰り出して
いってしまいました。

私は呆然としていました。

それから暗くなるまで
彼と牛ラムちゃんは
海から戻ってきませんでした。

私はとにかく
こうなったら瞑想しかない、
と思い、ひたすら
瞑想していました。

初めての旅行で、
なぜ、牛ラムちゃんと彼が
ずっと一緒にいる?

「私は??私は一体何???
この状況ありえなくない?」

彼にその気持ちを
なかなか言うことが
できませんでした。

怒りでもなくて、
なんだか分からない感情でした。

自分の存在を大切に
されていないような。

いや、やっぱりおかしい。

そして2日くらい経って
彼になんとか伝えました。

「普通、この状況
おかしいと思うんだけど・・・」

「おかしい?
普通って?普通ってなに?」

彼は冷静に答えました。

「え、普通って言うのは、、
えっと、普通、
付き合いたてのカップルの
旅行っていうのは、、
えっと、
普通っていうのは・・・」

もう自分が言っている
普通とは何か、
分からなくなってきました。

それ以上は
何も言えませんでした。

牛ラムちゃんは
私にも、他の人にも
変わらない態度で
ニコニコして
ずっと楽しそうでした。

「これ美味しーーー!」

「風、気持ちいいーーー!」

「たかしー、
一緒に踊ろうーーー!」

こんな感じでした。

この時の私はもう
できるだけ穏便にすませたくて
牛ラムちゃんにも
笑顔で対応していました。

牛ラムちゃんを知れば知るほど
素直でいい子でした。

私は、もうやけくそで
瞑想を続けていました。

ぼーっとしてきた頃、
自分が猫をかぶっていることに
気づきました。

相手を責めているけれど
本当は
私が猫をかぶっている。

え、あ、
頭に耳をつけて、
お尻に尻尾が生えている
目の前の牛ラムちゃんは、
もしかして、私??

本音で話せない私と逆、

本音でなんでも表現できる
もう一人の私。

もしかして、ラムちゃん
私の投影ですかーーー!!?

すでに心理学を
かじっていた私は、
牛ラムちゃんが
本当に望んでいる
自分自身なのではないかと
気づいてしまいました。

「こわっっ。
神様、怖いです。」

と祈り始めました。



それから、後日
たびたび彼の友人と会うときは
牛ラムちゃんが登場しました。

毎回のように彼と私にも
手作りの怪しいアクセを
プレゼントでくれました。

彼に聞くと、
牛ラムちゃんは
特に彼女の座を狙っているとか
そういうことは
全くないとのこと。

とにかく、アホなだけだと
いうことでした。

他の人は
そんな空気が読めない
牛ラムちゃんに
結構冷ややかな態度をとる人も
多いようでした。

しかし
彼は相手がどんな人でも
変わらない安定した態度
なんです。

それがきっと
牛ラムちゃんにとって
心の支えで、
数少ない安心できる人
だったんだと思います。

だから、
彼の近くにいたかったんだと
今では分かります。

後日、彼に
「あの時、
牛ラムちゃんと一緒に過ごすのが
本当は嫌だったのなら
そう言ってくれれば
よかったじゃないか」

と言われました。

正論で何も言えませんでした。

それが言えないんだよ、
察してくれ、と
当時は思っていました。

今では、
牛ラムちゃんや彼のように
自分の考え、気持ちを
素直に相手に表現することって
とても大切なのだと
ようやく分かってきました。

今は私はこうしたい、
嬉しい、
楽しい、

こうした素直な表現を
私はしたことがなくて
牛ラムちゃんとの出会いが
あったんだと思います。

大切な人と
一緒に楽しく
時を過ごせるように
なるために。

時折、牛ラムちゃんのことを
思い出していました。

今は何をやっているんだろうと
なつかしく思っていました。

~~~

キャンプ旅行から
10年が経ちました。

牛ラムちゃんは
カリフォルニアで
小学生になる娘さんと
一緒に住んでいるとのこと。

久しぶりに
日本に帰ってきて
連絡をくれました。

うちに遊びに来てくれました。

私は彼女との再会に
ソワソワしていました。

「彼女の頭に
耳はついているだろうか?」

そればっかり
気になっていたんです。

まさか、子供がいて
10年経って
普通は耳はついていないだろうと
思っていました。
しかし、少し期待していました。


そして、彼女は
変わらない笑顔で
登場しました。

彼女の頭に注目しました。

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2

1


なんと、頭に耳、ついていました。笑

「やった!やったぞ!」

と私は心でガッツポーズ。
達成感を感じていました。

お尻には
しっぽもついていました。

10年経っても、
子供を産んでも、
海外で生活していても、

今も変わらず
ブレていない彼女に
私は感無量でした。

「あ、今日も
頭に耳、ついているね」

「そうなのー。
これも手作りで作ったの♪

日本では指差されるけど、
アメリカではみんな
素敵ね、って褒めてくれるの」

と元気よく
答えてくれました。

再会のお礼と
その場で
手作りのアクセを
作ってくれました。

「何色の石がいい?」
と私と彼女で
二人でウキウキながら
石を選びました。

心を込めて
プレゼントを
手作りする彼女に
私は泣きそうになりました。

彼女は目の前のこの瞬間を
いつも大切に味わっていました。

自分が好きな服を着て
一緒に過ごしたい人に
一緒に過ごしたい、
と言っていいじゃないか。

今は、ようやく
彼女が牛ラムちゃんだった意味が
分かりました。

今彼女は
カリフォルニアで
DVなどで苦しんでいる女性の
シェルターで
カウンセラーの仕事をしている
そうです。

まさか、今の自分と
同じような仕事をしていることに
驚きました。

自分のままでいい、
ということが
心底分かっている彼女に
ぴったりの仕事だと思いました。

今日は自分自身とあなたに
これを聞きたいです。

「自分が大切にしたいことを
今、分かっているだろうか?」

「それを素直に、思い切り、
表現できているだろうか?」


まあね、でも
もう一人の私も
いるんですけどね。

「いやいやいや、
彼との旅行は、
やっぱり甘い場所で
とにかく、二人きりで
なんとか
よろしくお願いします!!」

ってね。笑

今日もありがとうございます。

※正確には、本家のラムちゃんにはしっぼはありませんでした。笑

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